岡本選手報告 UCIグランフォンド世界選手権(ポーランド、ポズナン)151㎞
45~49歳カテゴリー、30位、3時間36分43秒、トップから4分54秒遅れ、41.53㎞/h、完走185名
【概要】
本格的な登りが高速道路を越える陸橋程度の平坦コース。
千葉で言えば、長柄周回の大仏通りの登りに匹敵する登りもないと思います。
それにもかかわらず、とてもきつくてたいへんなレースとなりました。
自分にとってその主な理由は3点です。
・とても暑い日で、走りながら可能な大会水補給がなく、水がほとんどなくなり最後は喉カラカラになりました(2箇所の大会補給所で止まって飲食補給は可)。
・名付けて「アスファルト版パリルーベガタガタ道区間」の高速走行で脚、体が削られました。
・横風作戦区間がたくさんあり、スピードが必ずあがり棒状高速走行で、しかも道ガタガタでやられました。
100位以内に入れば御の字と思ってスタートし、中切れ、落車もありながら、運良くメイン的大集団で生き残り、26位~69位の44名のメイン的大集団での粘りのロングスプリントで集団内5番目でゴールしました。
もしかしてリザルト10番台に入っていないかと淡い期待を抱きましたが、逃げが二十数名いたようで、甘くはなかったです。
しかし、昨年のイタリア大会から順位百番以上アップし、自分としてはまさかの30位という好成績でした。
本格的な登りがないコースのほうが自分にはあっているのかもしれません(登り弱い)。
バイシクルクラブによるニュース記事
UCIグランフォンドワールドシリーズによるニュース記事
http://www.sport.be/ucigranfondoworldseries/en/news/article.html?Article_ID=867988&v=867988#.XW6rSOI1iOI.twitter
【詳細】
大会推奨の通り、パンク対策で携帯ポンプ、チューブ等入れたサドルバッグ付で出走。
練習時と違うのは、ホイールと、後方確認ミニミラーがないのみ。
ホイールは、アルミのレーシングゼロC17。
朝、スタート地点とゴール地点の様子を見に行く。
スタート地点では、金曜日の試走時に中盤一緒に走ったベルギー女子選手と奇跡的に再会。
あとで聞いたらその女子選手はスタート並びで優先前列にいたので、かなりの強者選手だった模様。
スタート並びの場所から、指定時間にカテゴリーごとにスタート地点へ移動(動画あり)。
このときに前にあがります。
9時21分にスタート。
市街地の広めの道を大集団で高速巡行。
時々あらわれる分離帯や、路面の溝などにも神経つかいながら走ります。
時々メーターをみると、時々脚をとめながらの集団巡行ですが、時速48㎞とか51㎞と表示されていて速くてビビります。
こんなにでているのか!
大集団走行ですが自分のカテゴリーは落車は前半は目にしませんでした。
世界選手権だけあって皆うまい。
しかし密集度は高いです。
ラウンドアバウト(環状交差点)もだんだん出てきて、気をつけて通ります。
ラウンドアバウトは、そのものよりも、その前後にある分離帯がこわいです。
10㎞以上走って広くない田舎道に入ってしばらく行くと、最初のアスファルト版パリルーベガタガタ道区間に入ります。
アスファルトに細かい無数のひび割れが広がり、時々穴があいています。
スピードも速く、最初の難所と思い必死に走ります。
でかいヨーロッパ選手ばかりで、隙間から路面を懸命に見て判断しながら。
パリルーベ区間が終わると、田舎道ですが、時々あらわれるラウンドアバウトと分離帯に気をつけます。
時々、集落では減速帯バンプもあらわれます。
1回、ラウンドアバウトを気をつけて通過したあとにほっとしたところでバンプがすぐにあらわれ、前につんのめりそうになりヒヤッとしました。
油断大敵です。
事故なく絶対に完走はしたいので、そのためには、大集団のなかでパンクしないように隙間から路面をよく見ながら、かつ集団の前を見て集団がどちらに行くかを座高を高くして見る必要がありそうです。
というのも、例えば集団が右の方に曲がっていくときは、そこに交差点や車線分離帯やラウンドアバウトなど段差がある危険性が高いからです。
神経をとても使うので、身体がだんだんかたくなっていく感じです。
たまに思いだしてからだをリラックスさせますが、最初の30㎞くらいはそれどころではありませんでした。
ひとつ目の大会補給地点で、走行しながらの大会の水補給がほとんどないことが判明。
プライベートなチーム、国々内での水補給は個別でやっておりますが。
昨年同様大会ボランティアがペットボトルを手渡ししてくれることを期待しましたが、なかったようです(大会側の説明通り止まってテーブルでペットボトルからボトルに自分で入れたりするシステムのようでした)。
太陽のある方向から少し強めの風がずっと吹いており、気がつくと風上側を走っていることが多く、いつも風を受けて走っているなあと感じます。
これは少しずつ力を奪われてしまいます。
しかし風下側は集団の密集度が高く、前にあがるスペースが少ないので、安全性優先で風上でもしかたがないとします。
半分くらいの距離を過ぎると、日本選手が、前に15名くらいの逃げがいるようだ、と教えてくれます。
この高速走行の大集団の前に、さらに先行する選手たちがいるとは、本当に驚きです。
すごい実力者だなあと。
また、その頃、自分のいるメイン集団が100名ほどいるはずの思って初めて後を本格的に確認すると、パラパラと10名くらいしかいません!
いつの間にかメイン的集団が60名ほど?に絞られいました。
恐ろしい!
いつもの、振り返れば自分が集団ほぼ最後尾でびっくりするヤバイやつだと!
とても暑くなってきた…。
日本と変わらないではないか。
日本語ガイドのお話しだとこの時期にポズナンでこんなに暑いのはとてもまれなことと言っておりました。
ロングタイプのダブルボトルの水1本をすでに飲み干し、残り1本を大切に飲まなければ、と思います。
後半に入ると、ぐるっとまわって、ポズナンに戻る方向に走ります。
横風区間が多くなります。
横風区間は必ずスピードがあがり、1~2列の棒状走行になります。
中切れが発生して、みなでうめたり、右に曲がって向かい風になり、高速走行がひと段落してホッとしたり。
しかし、また左折すると横風区間で高速走行となり横風作戦の洗礼をうけます…。
しかも路面ガタガタで二重の苦しみです。
日本でのレースでは周回コースが多いため、こんなに長い横風作戦の体験は市民レーサーはほとんど体験できないのでは。
横風作戦区間は太陽を右手に見て、太陽のほうから強めの風が吹いてきます。
道路の左端の棒状高速走行となります。
2列の棒状高速走行が多く、2列の左端を走れば風を受けにくいと思うのですが、左端はさらに道が悪く、パンクのリスクが高くなるのと砂利のところにコースアウトすることもあるので、それもなかなか難しいかもしれません。
振り返ると自分が集団最後尾のときもあり、緊張感高まったりしたことも。
ある横風作戦区間では、中切れが発生し、それをうめようと頑張りましたが力尽き、後の選手たちとそのうち追いつくだろうとそちらに賭けました。
すると神登場!
後方からデフジャパンの早瀬選手が登場し、ジェスチャーで「俺の後につけ!」と伝えてきました。
後についてなんとか頑張り、横風区間も終了し、無事にメイン的集団に復帰。
その後、透明なロングボトルに水が入っていないのをみたのか、早瀬さんが背中に入っている水のペットボトルを渡してくれ、水まで分けてくれました。
感謝です。
でもすぐに喉がかわき、少しずつボトルの水を飲みます。
100㎞過ぎて2箇所目の補給地点でも走行しながらの大会側の水補給がなく、水はもらえません。
(あとで聞いたら喉カラカラの日本人選手は止まって自分でボトルにペットボトル水を入れて補給したとのこと)。
ゴール前10㎞あたりで飲める最後の水を少し残して走ります。
チームサポートをプライベートで受けるある外国人選手は、サコッシュを受け取り、中からコーラを取り出し、うまそうに飲んでいました!
チームメイトに分けたりしながら。
最後、外国人選手がそのサコッシュを手にしていて、これを捨てたときに自転車にからまったりしたらヤバイと思ったりして警戒し、遠ざかるようにしました。
あるブラジル選手は、まわりの選手たちに、水をくれ、と言いながら、水をもらいながら走っていました。
ボクも林選手に水を2口くらいもらいました。
ありがとうございました。
途中、集団で皆が右に曲がるようなジェスチャーをしたので、
「今度は右折か。分離帯やラウンドアバウトに注意しなければ」
と思っていたら、道の左端に、落車後の2名の選手と大会側オートバイ1台がおり、それを避ける合図でした。
大集団でそれを不意によけて通過する地点だったので、少しヒヤッとしました。
また、集団を、後方からサイレンを鳴らしながらの救急車が抜いていくシーンもありました。
誰か負傷した選手が乗っているのだろうか、それとも地元住民か、と思ったりします。
右折や左折を繰り返し、広~い幹線道路を大集団で直進します。
ずっと走っていると、前方左で落車があり、連鎖して集団落車となり、広~い道の8割くらいがふさがれてしまいました。
メーターで134㎞地点でした。
ゆっくりとなんとか右側をまわってよけて進み、ギヤを軽くし、遅れた5人くらいでメイン的集団を追いかけます。
この道がこれまた横風区間できつい。
前方のメイン的集団には、早瀬選手や林選手がいるのが見えます。
後方には、まだ誰もいない様子。
追いかけた距離は2~3㎞だったかもしれませんが、ここはリザルトの分かれ目になってしまう!とも思い、5人くらいで一生懸命追いかけ、なんとかメイン的集団に復帰。
後方からも数名、追いついてきました。
残り10㎞、5㎞と、ゴールが近づいてきます。
昨年のイタリア大会同様、今回も残り距離を表す看板が一切ありません。
一昨年のフランス大会ではありましたが。
UCIの規則で距離看板設置は必須とかないのかな?などと今年も思います。
喉がカラカラですが、ここは正念場と気合いを入れます。
暑いし、脚がつってしまうかもしれませんが、まだなんとかなりそうです。
ゴール前5㎞くらいでしょうか。
後方から大会側バイクと数名の選手が来て抜いていきます。
おそらく7分後スタートの50~54歳カテゴリーの先頭選手です。
ゴール地点は下見をしましたが、ゴールまでどのあたりがあと1~2㎞あたりかはさっぱりわからなくなっていました。
ゴールまで500メートルほどの最後の大きな交差点からゴールまでは、建物の様子からわかるのですが。
メイン的集団は40~50名ほどでしょうか。
大柄で平地やゴールスプリントが強そうな選手だらけで気後れしてしまいます。
実際に強者ばかりのはずかと。
そのため集団後方に位置してしまいます。
これだけの人数がいるので、ゴール前の数㎞の広い道路でも、集団が広がり、こわいし前にでるのは簡単ではありません。
しかし、道は広いので、ゴール前で必ず前に行ける時がくるはずです。
1列棒状になるかもしれません。
ゴール前500メートルの大きな交差点を通過。
距離はまだ少しありますが、決めていたとおり、ロングゴールスプリント状態に突入。
ロングスプリントに入った選手たちの後に迷わず入って、ゴールを目指します。
すると、だんだんとするすると選手たちを抜いていけます。
ゴールまで出しきるぞと、最後に抜けるかもしれない2名の選手も諦めないでぎりぎりおそらく抜いてゴール。
メイン的集団で5番目でゴールしました。
前に何名くらい逃げていたのか気になります。
あとでリザルトをみたら、メイン的集団は26位~69位の44名ほどの集団で、その前には20名以上いました。恐るべし。
そんなこんなで、30位でゴールすることができました。
ほぼド平坦コースと言われたポズナン大会で、こんなにたいへんな思いをするとは思いませんでした。
やはり世界選手権はレベルが違いますね。
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